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{{基礎情報 テレビ番組}} 350px 『秘密戦隊ゴレンジャー』(ひみつせんたいゴレンジャー)は、1975年(昭和50年)4月5日から1977年(昭和52年)3月26日までNETテレビ(現在のテレビ朝日)系列で毎週土曜日19時30分から20時00分に全84話が放送された、東映製作の特撮テレビドラマ、および作中で主人公たちが変身するヒーローの名称。
「スーパー戦隊シリーズ」最初の作品である[1]。
{{ネタバレ}}
世界征服を企み、国際的に暗躍する「黒十字軍」。彼らの侵攻を食い止めるべく、国連は「イーグル」という国際的平和組織の秘密防衛機構を設立、スイス・ジュネーブに本部を置き、世界を各10ブロックに分けて黒十字軍に対抗していた。しかしある日、黒十字軍は日本ブロックに焦点を絞って総攻撃を仕掛け、全国の各支部(北海道・東北・関東・関西・九州)は壊滅してしまう。
しかし、各支部に1人ずつ奇跡的に生き残った者がいた。関東支部の海城分隊長の弟で、秘密工作のスペシャリスト・海城 剛、東北支部の分隊長・新命 明、九州支部の精密技術班員・大岩 大太、北海道支部の化学分析班員・ペギー 松山、そして関西支部の新米隊員・明日香 健二である。イーグル日本ブロックの最高指揮官である江戸川権八は、彼ら5人を新宿の秘密基地に呼び寄せた。
ここに、イーグル日本ブロックが黒十字軍に逆襲するために創設した特別部隊「ゴレンジャー」の戦いが始まった。
NETでは本作の放送前、土曜夜7時半より毎日放送制作の『仮面ライダーアマゾン』を放送していた。しかし1975年4月より、腸捻転解消のためネットチェンジが行われることとなった。これにより仮面ライダーシリーズはTBS系に移動、関東地区のNETはその時間に放送する番組がなくなった。
『仮面ライダーX』での「メカニック・ヒーロー」への挑戦や『仮面ライダーアマゾン』の「本格的怪奇アクションドラマ」への回帰は成功したとはいえなかったが、それでも東映としては仮面ライダーシリーズという黄金カードがキー局もろとも枠移動するのは一大事であり、「東映ヒーロータイム」ともいうべき番組枠の立て直しと穴埋めの企画が迫られた。そこで渡邊亮徳テレビ課課長(当時)は『仮面ライダーストロンガー』企画時に毎日放送に提案して没となった、「『スパイ大作戦』を参考にした複数の専門家が集まったヒーローチーム」という「五人ライダー」の企画案を再検討し、これを新番組に採り入れることを決定した。
NETと東映が組むとなると原作者は石森章太郎、ということで石森が原作者に起用され、石森は「五人のヒーロー集団」という設定から複雑なデザインは避け、あえて一目でわかるシンプルなヒーロー像を設定。またカラーテレビの時代を反映させ、かつての東映作品『仮面の忍者 赤影』(関西テレビ放送)と同様に、「色」で個性を強調することとした[2]。こうして五色の集団ヒーロー「ゴレンジャー」が誕生することになり、『人造人間キカイダー』や『イナズマン』など、NET作品で実績を見せたスタッフ[3]が引き続き担当し、現場制作は東映生田スタジオで行われた。
基幹局の朝日放送(自社制作『部長刑事』)・名古屋テレビ(外国テレビ映画『走れ!スキッピー』)・九州朝日放送(東京12ch系・外国テレビ番組『ドリス・デイショー』)は、この時間帯をローカルセールス枠とした関係で(カッコ内の番組を放送)、時差スポンサードネットでの放送となった。因みに朝日放送での本作の時間枠は土曜日18時であり、毎日放送での『仮面ライダーストロンガー』は関東圏と同じく19時からであるため、関西では本作の方が先行放送される形となっていた。
企画段階のタイトルやネーミングは、渡邊亮徳と平山亨の東映企画陣と、石森章太郎、加藤昇マネージャーらによる石森プロスタッフとのディスカッションの中で生まれていった。題名は末尾に「レンジャー」と付けるまでは決定していたが、頭に何を付けるかで難航した。
当初のタイトル案は「レッド・1」というものであり、各メンバーの名もレッドマスクなどと仮称されていた。そしてその後考案されたのが「ファイブレンジャー」で、メンバーの名称もレッドレンジャーなどとするものだった[4][5]。
しかしこの「ファイブレンジャー」は「理屈っぽい」として渡邊が却下。次に出た「ガッツレンジャー」も却下され、最終的に「5人レンジャー」の「人」を取って、「5レンジャー」の名前が考案され、これにOKを出した渡邊によって、片仮名の「ゴレンジャー」が決定名となった[5]。
これに伴いメンバーの名も渡邊によって日本語に直された[5]。 「モモレンジャー」の名称については、「ピンクレンジャーでは子供向け番組には刺激が強い[6]」として、渡邊亮徳が「果物のモモ、ハートのモモ、ふっくらした女性のモモが、ちょっと不良っぽくていい」と「モモレンジャー」に決めた[7]。
なお、“秘密戦隊”のネーミングは、作品タイトルのみにつけられたもので、本編中には一切登場しない。
変身ヒーロー作品に「戦隊」という要素を取り入れ、かつ、5人のヒーロー(そのうち1人はヒロイン)が最初から登場するということから子供達の大きな人気を集め、結果的に最高視聴率は22%、放映話数も84話という記録を打ち立てる。オンエア時の再放送を含めて2年間はスーパー戦隊シリーズでの最長記録(2012年現在)となっており、未だにその記録は破られていない[8]。人気を支えた理由としては、作劇面で第1話の時点で5人のキャラクターを明確にしたことや、ハードなスパイアクションからギャグ、次回予告にまで使われたなぞなぞネタなどあらゆる要素を盛り込んでいたことなどが挙げられる。戦隊ものでお馴染みの隊員のカラーが、原作を元にしている為唯一アカ、モモなど日本語の呼称になっている。
なお、集団変身ヒーローは実写では本邦初であるが、アニメで先鞭をつけていた『科学忍者隊ガッチャマン』からは、熱血リーダー、クールなサブリーダー、豪快な肥満系の三枚目、紅一点、最年少の男性というメンバー構成が偶然の一致という可能性も全く否定はできないにせよそのまま流用されている。
現在ではスーパー戦隊シリーズの第1作という扱いになっているが、元々シリーズ化する前提で企画されたわけではなく、また本作と次作『ジャッカー電撃隊』は石森章太郎原作のため、『バトルフィーバーJ』以降の東映オリジナル作品とは区別されていた時期もあった。『高速戦隊ターボレンジャー』の第1話「10大戦隊集合 頼むぞ! ターボレンジャー」では当時本作と『ジャッカー』は除外されており『バトルフィーバー』から数えていたため登場しない。解釈はどうあれ、色分けされたマスクとスーツ装着の集団変身アクションというスタイルは今日まで引き継がれていることは確かであり、TV史にもこれだけエポックメイキングとなり得た番組は数が少ない。
主題歌『進め! ゴレンジャー / 秘密戦隊ゴレンジャー』のシングルレコードは番組のヒットにも乗ってミリオンセラー[9](資料によっては42万枚[10])の売り上げを記録した。
本作は石森によって、スパイアクション漫画作品として『週刊少年サンデー』などの少年漫画誌でも連載されていたが、テレビ版のタッチがギャグ路線に脱線していく状況に合わせて、途中からギャグ漫画として180度方向転換し、漫画のタイトルもジャンル変更に合わせて、『週刊少年サンデー』のみ『ひみつ戦隊ゴレンジャーごっこ』に改題された。
「作劇や敵怪人をコミカルに描く」というコンセプトは、本作で美術全般を担当したエキス・プロダクションの前沢範が企画会議で石森に「舞台のショーで見られるような、コミカルで楽しいものにしましょう」と提案して導入されたもの[11]。視聴率は20%を超えるまでになり、吉川進プロデューサーが女子大生のファングループから訪問を受けたほど、男女問わない幅広い支持を受けた本作は、実に二年間のロングラン放映となった[12] 。
後に9作品の戦隊シリーズのメインライターを務めることとなる曽田博久がサブライターとして参加していた作品で、『激走戦隊カーレンジャー』まで足掛け20年の長きに亘り戦隊シリーズの脚本に関わることとなる。また、戦隊シリーズのナレーター役をレギュラーで設けている番組の中で唯一(2012年現在)複数名がナレーターを担当した[13]作品でもある。
本作品では、山陰地方(第38・39・41話)や愛媛県松山市近辺(第60話)などで、本格的な地方ロケを行っている。
白浪五人男]]』が「五人揃ってゴレンジャー」の名乗りポーズの原典である ゴレンジャーは国連が設立した国際秘密防衛機構“イーグル”の日本ブロック関東支部に属する特別部隊である。総司令官である江戸川権八の指揮の下、地球の平和を守るために悪の組織“黒十字軍”と戦う。
手始めに日本ブロックを狙った黒十字軍の襲撃で壊滅した、各地支部の生き残り隊員が集められ、レンジャー訓練を施されて[14]、黒十字軍と戦うための特殊部隊に編成された。また、正規メンバーは5人であるが、大五郎のようにイーグル内で選抜されたゴレンジャー予備隊員も存在する。劇中での「ゴレンジャー」の英字表記は「GORENGER」である。
ゴレンジャーの変身プロセスは「転換」と呼ばれる。転換アクションは「ゴー!」というかけ声とともにジャンプして着地する、もしくはその場で回転するだけで完了し、特にアイテムは使用しない。転換時にはゴレンジャースーツから10万ボルトの電圧がかかりこれに絶えるためには強力な精神統一が必要である[15]。メンバーが装着しているブレスレットは通信用で、彼ら以外の一般のイーグル隊員も着用している。
ゴレンジャーの正体は一般には秘密とされるが、第4話の時点で素顔の写真と詳細なプロフィールが黒十字軍の手に渡っている。そのため、怪人が「ゴン」にやって来た際には姿を隠すなどして秘密を守っていた。その一方、映画『ジャッカー電撃隊VSゴレンジャー』ではジャッカーのメンバーに不審人物として追われたペギーが「ゴレンジャー証明書」という身分証明書を見せる場面がある。
ゴレンジャーはマント衣装だが、番組開始前の雑誌撮影会では石森がデザインした丈が長いものだった。エキスプロの前沢によると、この撮影会で「バーディー」の実演を行ったところ、火が合成繊維のマントに燃え移ってしまい、すぐに劇中の短いものに変更されたそうである。
ゴレンジャーのメンバーは2代目キレンジャーを含め以下の6人。変身後は名前に対応した色のマスクとスーツを着用しており、アイマスクは取り外すと専用武器に変化する。なお、アイマスクの形自体も専用武器にちなんだものとなっている。
当初のメンバー5人の本名である海城(かいじょう)、新命(しんめい)、大岩(おおいわ)、ペギー、明日香(あすか)の頭文字を繋げると「カシオペア」となり、これは黒十字総統の弱点への伏線となっている(後述)。
集合時の名乗りは、「五人揃って、ゴレンジャー!」。大野剣友会時の、勢ぞろいした五人が右の掌を前に掲げる決めポーズは、殺陣師の高橋一俊が歌舞伎の『白浪五人男』から採ったものである[16]。
全人類を滅ぼし、地球を我が物とすることを目的とする秘密結社。常に総統の意志が絶対視されている。そのため、仮面怪人の直下で活動するゾルダーも時として、仮面怪人に忠実でないことがある。失敗した者や命令を聞かない者に対しては容赦しない悪の秘密結社らしい一面も見せるが、組織内は意外にアバウトかつアットホームな雰囲気でまとまっている。「軍」を名乗るだけあり構成員の数は相当なものであることや、戦法に比較的統率力が見られる点など、他の悪の秘密結社とは一線を画する組織構成である。組織結成時に先兵として黄金仮面、武者仮面、青銅仮面、ヒスイ仮面、毒ガス仮面は同時登場しており、日本全国のイーグル支部を強襲し、結果としてゴレンジャー結成を決定付けさせた。五人の亡き後はしばらく大幹部制が採られ、日輪仮面、鉄人仮面テムジン将軍、火の山仮面マグマン将軍、ゴールデン仮面大将軍が歴任した。総統が宇宙人とみられることから、その繋がりで「宇宙忍団(「黒十字忍団」)」を結成するなど戦力増備もあったが、総統の死とともに壊滅する。
以下の4名が大幹部である。
破壊活動の指揮をとる怪人たち。第29話の予告によると、階級は「将軍」である。全員主に改造人間と思われるが、明らかにロボット然とした者もおり[22]、一貫したイメージは採られていない。当初は主に、世界各国の民俗仮面をモチーフにデザインされた。中には冗談とも思えるお笑い怪人もいるが、いずれもゴレンジャーが5人揃わなければ打倒が不可能な猛者ぞろいである。
シリーズが進むにつれ題材が拡がり、他に生物、家電製品、日用品、スポーツ用品など様々なモチーフが現れた。中には複合名詞や物質名詞を名乗る者もいる。金属系・メカニック系のモチーフも多い。後期には、見た目や言動など存在自体がギャグとしか思えない仮面怪人(第45話に登場した「剣ザメ仮面」を筆頭とする「ゴレンジャー・ギャグ怪人」)が数多く登場し、怪人が変装もせずに都会の雑踏の中を駆け抜けたり、街角の売店で新聞を買うなど、従来の特撮作品では見られなかった演出がされた。見かけはギャグでも、展開した作戦やストーリーはシリアスなものだった怪人も少なくない。
曽田博久は「ゴレンジャーの怪人を見て怖がる子供はいないでしょう。怪人を観て怖がりたいなら『仮面ライダー』を観ればいいわけですからね」とコメントしていて、怪人のコミカルさは割り切ったものだった。石森の没デザインには「パチンコ仮面」(「チューリップ仮面」、「チンジャラ仮面」の付記あり)というものもあったが、吉川プロデューサーに没にされたという[23]。
仮面怪人には大幹部階級と一般階級がおり、いずれも必ず直属のゾルダーを従えている。ゾルダーに対する扱いはまちまちで、盾にされたゾルダーを守るために攻撃の機会を放棄する者もいれば、彼らを実験台にした科学者に復讐する者もおり、人間爆弾任務を与えるものもいる。「大幹部」の場合は、部下の仮面怪人の力量を見るために実験台にしたり、失脚からの巻き返しのために新将軍を警備中のゾルダーを襲ったり、仮面怪人が指揮する特殊部隊のゾルダーを任務の失敗を理由に部隊ごと処刑したりと、概して消耗品扱いにした描写が多々みられた。
本作の企画書では、仮面怪人は次のように設定されている。
仮面怪人の造形はエキスプロによって行われ、石森のラフスケッチを前澤範が造形用に起こしていた。石森も前澤も同時期に同じスタッフで担当していた『仮面ライダーストロンガー』と差別化しようとの思いがあり、「とにかくコミカルで面白いものを」とのコンセプトを念頭に置いたという。「色彩豊かなゴレンジャーのキャラクターに負けないように」と、前澤はスタッフに「仕上げをとにかく綺麗に」と徹底したと語っている。ゴレンジャーの仮面怪人は顔にギミックのついたものが多いが、これはギミック好きな吉川プロデューサーの直接指示によって加えられたものという[24]。
現状の軍には足りない力を補充するために拉致され、労働強制されている人々。武器の開発に携わる科学者もいれば土木作業に従事する者もいる。用済みとして殺されることがほとんどである。
また、イーグルから寝返って黒十字軍側についた者もおり、劇中で「待遇はイーグルよりもいい」と述べている。作戦のために、黒十字軍に請われたペギーと大岩がゾルダーの姿で黒十字軍団員になったこともある。
ゴレンジャー、黒十字軍勢力は、本編と関連映画以外にも、近年の東映の他作品に再登場している。
「バリブルーン」、「バリドリ-ン」は、新宿西口駅前の通風口(手前)から発進するという設定
ゴレンジャー、黒十字軍両戦力とも、本編と関連映画以外に、近年の東映の他作品に再登場している。
カッコ内は出演話数。
{{出典の明記}} 66話までは大野剣友会が、67話以降はジャパンアクションクラブ(JAC)がアクションを担当した。
スーツアクターがJACに変わってからは、殺陣に器械体操を取り入れたものが多く起用された。
新堀和男によると大野剣友会時代のベストメンバーは「アカ・新堀、アオ・中屋敷、キ・前田、モモ・栗原、ミド・中村」とのことであるが、実際にこの組み合わせが実現したのは1,2回程度だという[32]。
大野剣友会 (1 - 66)
ジャパンアクションクラブ (67 - 84)
いずれもビデオリサーチ調べ、関東地区。2011年現在、スーパー戦隊シリーズの視聴率としては史上最高記録。
※EDが放送途中で変更されたのは、この作品と『太陽戦隊サンバルカン』のみ(EDのバージョン違いや特定話数(クリスマス、総集編、最終話など)のみのED、期間限定のEDなどは除く)。なお、『秘密戦隊ゴレンジャー』はバトルシーンでも使用された。
いずれも東映まんがまつりの一編として公開された。
これらの作品は2003年7月21日発売の『スーパー戦隊THE MOVIE BOX』及び、単品では2004年7月21日発売の『スーパー戦隊THE MOVIE VOl.1』に収録されている。2011年11月21日発売の「復刻!東映まんがまつり 1976春」には「真赤な猛進撃!」のみ収録されている。
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