Scala2.8とEclipseプラグインの導入 - Scala覚書
-
概要
Scala2.8を導入し、EclipseプラグインからHello Worldするまでの流れ。
Windowsの方が需要が多そうな気がするので、Windowsでの手順を想定して説明。行程自体はLinuxもそれほど変わらない。
@Author mwSoft
@Date 2010/11/19
@Env Scala2.8 -
Javaの導入
ScalaはJVM(Java Virtual Machine)上で動くので、まずはJavaを用意しなければいけない。
JavaにはJRE(利用者向け)とJDK(開発者向け)がある。JREで事足りるはずだけどJDKの方がいろいろ機能が豊富なので、今回はJDKを選択。
下記URLから、Download JDKを選び、次ページでPlatformに自身が使っているOSを選び(user nameとかpasswordはいらない)、Continueを選ぶと、インストーラのダウンロードページに飛ぶ。
http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/downloads/
あとはインストーラを落として実行し、デフォルトのまま次へ次へと行けばOK。
Linuxでは落としたファイルをshで叩いて、できたディレクトリのbinにパスを通した気がする。yum install java-1.6.0-openjdkとか、apt-get install openjdk-6-jreとかしても良い。
-
Scalaの導入
下記URLからプラットフォームに合わせたファイル(Windowsの場合はscala-2.8.x.final.zip)をダウンロードする。
http://www.scala-lang.org/downloads
解凍したフォルダを適当な名前に変更して適当な場所に置く。c:\scala2.8とか/usr/local/scala2.8とか。
コマンドプロンプトから実行してみる。ScalaはRuby(irb)やPythonのように、コマンドラインからコードを書けるインタプリタを用意している。
$ cd c:\scala2.8\bin $ scala -version #=> Scala code runner version 2.8.1.final -- Copyright 2002-2010, LAMP/EPFL $ scala > println("hello world") #=> hello world > Ctrl+D
インストールに必要な手順は、これだけ。
-
Eclipseの導入
開発環境としてEclipseを選択する。スペックが低いマシンだとキツイかもしれない。我が家のノート(Core2 Duo 2.00GHz、メモリ2GB)では、設定を工夫すれば問題なく動作した。設定については後述。
まずはEclipseをダウンロードする。この記事を書いている現在は、Eclipseの最新バージョンは3.6。但し、ScalaプラグインがEclipse3.5までしか対応していないので、下記URLから3.5.2を落とす。
http://wiki.eclipse.org/Older_Versions_Of_Eclipse
プラグインの対応バージョンは変更されている可能性がある。下記サイトを見て確認し対応バージョンを確認した方が良いかもしれない。
プラグインが最新のバージョンに対応していた場合は、eclipse.orgより最新のEclipseを取得する。
ダウンロードしたら解凍して、適当なフォルダに置く。フォルダを開き、eclipse.exeをダブルクリックする。起動を確認できたら、Eclipseの導入手順は終了。
-
Scala IDE for Eclipseの導入
EclipseのScalaプラグインを導入する。まず、下記URLからインストールサイトのURLを取得する。
この記事を書いている現在だと、真ん中上の方にCopy update site URL to clipboarというボタンがある。これをクリックするとインストール用のURLが取得できる。http://www.scala-ide.org/みたいな。
Eclipseを起動し、メニューのHelp → Install New Software...を選択
右上のAddボタンをクリック → NameにScalaと入力 → Locationに先ほど入手したインストール用のURLを入力 → OK
真ん中あたりにpendingと出て、しばらく待つとチェックボックスが出るので、それをチェックしてNext。
あとは言われるがままに進めていくと、Eclipseが再起動して、インストール完了。
-
動作を軽くするための設定
我が家の環境では、Scala IDE for Eclipseを利用するとEclipseが重くなったり頻繁に落ちることがあった。以下の機能をオフにすると、重さと不安定さが消えた。
尚、これらの動作はプラグインのバージョンによって変わる可能性があるので、使ってみて重いと感じた場合のみ試すと良いかもしれない。
まず、メニューバーのWindow → Preferences → General → Workspaceを選択し、
Build automaticallyのチェックを外す。Eclipseはファイル保存時に自動でビルドが行われるが、この設定を適用するとユーザが明示的に指示しない限りはビルドを行わなくなる。
ビルドはCtrl + Bで実行される。実行前や、エラーや警告表示がうまく動作してないなぁと思った時など、必要な時だけショートカットキーでビルドを走らせれば、余計な処理が減る分軽くなる。
次に、コード補完(コンテンツアシスト)を止める。
Window → Preferences → Java → Editor → Content Assistを選択し、チェックボックスを片っ端から外す。
これでコード入力時に、入力候補を表示するコード補完機能が消える。但し、Ctrl + Space(LinuxならAlt + /)を明示的に呼び出せば、機能自体は使える。
一番重いと感じたのは、オブジェクト名の後にドットを打った直後、候補を表示しようとする時だったので、この処理を切っておいて重くなりそうな時は候補を出さないようにすれば、我が家の環境ではだいぶ安定した。
-
実際に使ってみる
まず、Scalaのプロジェクトを生成する。
File → New → Scala Wizards → Scala Projectを選択しNext。
適当なプロジェクト名を入力して、Finishするとプロジェクトができる。
プロジェクトを開いて、srcを右クリック → New → Other → Scala Wizards → Scala Objectを選択し、Next
Nameに適当なファイル名(仮にTestとする)を入力して、Finish。これでTest.scalaというファイルができる。
Test.scalaに以下のhello worldするためのソースを記述する。
object Test { def main( args:Array[String] ) { println( "hello scala" ) } }
Ctrl + Sで保存して、Ctrl + Bでビルドして、Ctrl + F11で実行すると、hello scalaと表示されてめでたし。